こんにちは。日中ツーリズムビジネス協会(CJTC)編集部です。

緊急事態宣言が全国に拡大され、政府は、大型連休に向け、旅行や帰省など不要不急の移動を控えるよう呼びかけている。さまざまな生き残り策を考えてきた観光事業者も、もはや、ほとんど打つ手がなくなりました。一方で中国国内の旅行市場は10%以上回復ができ、少しずつ蘇っています。

日中ビジネスに関わる最前線専門家インタビュー特集の第三回として、今回はENtrance株式会社の代表取締役王璇氏に「日本でも活かせる中国のコロナ対策」および「コロナ収束後の日本旅行業界の変化」についてインタビューしました。

【ゲストプロフィール紹介】

ENtrance株式会社 代表取締役王璇氏

王璇氏は中国語通訳案内士。岩手県雫石町観光大使。2016年よりインバウンド戦略コンサルタントとして、行政や企業の戦略策定に携わる。2019年にENtrance株式会社を設立。中国語圏インバウンド旅行者向け、学びと交流が溢れる日本テーマ型旅行予約サービスを提供している。

CJTC編集室(以下、CJTC):コロナウィルスの影響を受けて、貴社にはどんな影響や変化を受けていますか。それに応じて、どのような対策やパートーナー企業への支援を行っていますか。

王璇氏(以下、王):ENtranceは、数次ビザ持ちの中国人リピーター旅行者をターゲットに、テーマ型観光サービスを提供しています。昨年創立したばかりなので、経済損失という意味ではその影響は限定的です。

それに応じる対策としては、1月末から2月中旬までは、FITのお客さんの訪日旅行のサポートや、中国へのマスク寄付、そして日本側の企業や自治体への中国関連の正しい情報共有に努めました。2月後半以降は、中国市場状況を日々ウォッチして、中国消費者向けのアンケート調査や、彼らへの日本観光関連の情報配信に注力しています。最近では、自社媒体を使って日本の観光事業者の情報の無料配信支援の連携も取っています。

▲ENtrance株式会社のビジョン

 

CJTC:中国の旅行業界は、日本より早く経済回復していると思いますが、観光業界全体はどんな状況でしょうか。「アフタコロナ」でどんな新しい兆しができているのでしょうか

王:飲食業は急速に回復している印象ですが、宿泊、交通、旅行市場の動きはまだ鈍い状況です。多くの旅行会社は、ここ1ヶ月、販促キャンペーンを行っていますが、四川省、雲南省などの「安心できる」辺境地の宿泊商品に一辺倒な状況です。

また、GWの最新トレンド予測では、昨年同期比80%減の発表があり、ほとんどの人は「同県観光(県内の近場で観光すること)」を選んでいます。ほとんどの大手旅行会社は、今年の事業戦略は国内旅行市場に注力すると意思決定しています。同じトレンドは、収束後、日本旅行市場にも起きるかと思います。

 

CJTC:日中の間でビジネスを行う企業が今準備しておくべきこと、あるいは、日本でも活かせる中国のコロナ対策やノウハウなどございませんか

王:これからも中国のカスタマーを相手にビジネスを継続する企業であれば、半年から1年間ほどの寒冬と向き合うことになります。そのため、いま準備した方がいいことは、2つあります。コロナの影響で、デジタル化が急速に進んでいるので、コンテンツ配信やデジタル面での強化をすべきだと思います。もう一つは、ECとアウトバウンドです。輸出できるものがないと思う宿泊や娯楽産業に携わるの事業者の方も、切り口を変えて一度商品開発に取り組んでみてもよいのではと思います。

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