CJTC:日本でも活かせる中国の新型コロナウイルス対策やノウハウはありますか。
蘇:中国のホテルでの対応事例があります。中国のとあるホテルチェーンでは体温検査機導入のほか、ホテル館内の定期的な消毒や、客室内にマスクや消毒液を準備してお客さまに提供しています。食事にも細心の注意を払い、生ものの提供は控え、特に肉類はしっかり火を通し、皿類は二重消毒して使うなどの対策を行なっています。さらに、体調に異常のある方には、すぐに医療施設や関連施設に連絡するなどの連携をとっています。
また、中国の4ツ星、5ツ星のホテルでは、ロボットの導入が進んでいます。ルームサービスなどスタッフの代わりにロボットが部屋まで運ぶので、人と人の接触がなく、安心感があります。Ctripと提携する会社ではこうしたロボットをレンタルするサービスも行なっています。
CJTC:ポストコロナの時代において、中国の訪日旅行者に求められることや期待していることは何かありますか。
蘇:現在、新型コロナウイルス感染症の収束のめどが見えないところもありますが、日本の状況が収束すれば、訪日する中国人は一気に増えると思います。収束後にはいち早く日本各地の魅力を打ち出すキャンペーンを展開したいと考えています。
弊社は2003年にSARSの感染が拡大したときにも適切に対応し、収束に備えました。収束後はいち早く行動に移すことで、爆発的に業績を伸ばし、その年の12月にはNASDAQへの上場を果たしました。その経験から、今回の困難を乗り越えれば、いっそう大きな成長が期待できると信じています。収束すれば、必ず来日を希望するお客さまは急増するので、いまの時期を活用して、しっかり準備しておくことが必要だと考えています。